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rena's world story★a.n.r.r.y
第18章 月灯りの下で
「……蘭」
姫宮さんが私の肩に羽織ったコートを、葵がゆっくり脱がしていく。
「今のお前の目。
前にエレベーターの中で “ された ” 時に似てる」
「……うん。
ほんと、あの時と同じキモチ」
「どんな気持ち?」
「葵が欲しい」
「………!」
「欲しくて堪らない」
嫉妬で正常な思考を失ってしまったんだと思う。
普段じゃ絶対に言えない言葉が私の口から飛び出した。
……でも、葵は顔色ひとつ変えない。
微笑しながら、私の耳元に口を近付けてくる。
「ヤケに素直だな。
いつもは俺から促さないと言わねぇくせに」
「………っ」
「毎回こうであってほしいんだけど?」
耳を甘噛みされて、ビクッと体が痙攣する。
葵の角ばった手が、すっと背中のラインを撫でてきて
ゾクゾクと刺激が伝わって声が漏れてしまう。
「…あ、おい、……っ」
「ん?」
「お願い、もっと……っ」
「………」
「もっと強くして…」
「無理、出来ない」
「………!」
コートを外して、私の感じる場所を触っているのに
葵が放った間逆の台詞に驚いて、パッと顔を上げた。
「な……んで?」
「優しく出来ないから」
「………!」
「ギリギリ止める理性が、残ってねぇから」