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rena's world story★a.n.r.r.y
第19章 唇に媚薬 ‐ deep love -

腰が砕ける程の激しいキスで、朦朧とする意識。
力の入らない私の体を、葵はくるりと半回転させた。


「………?」


後ろから抱き抱えられるように、同じ方向を向いて座る格好。
ベッドの枕に背中を付けた葵が、私の肩に顎を乗せた。


「俺が触る前に
蘭、自分でやってよ」

「………!!」

「自分の手で、自分の気持ちいいとこ触って。
俺に見せて」


……な、なに言って……っ

突然過ぎる、耳を疑う命令。
ドクンドクンと心臓が跳ねて、顔が火傷したように熱くなる。


「後ろから支えてやるから、な?」

「……そ、そんなの出来ないよ」

「1人でしたことねぇの?」

「無、い…」

「嘘つき」


逃れようと浮かした腰は、すでに遅かった。
私の下腹部に葵の左腕が回って、ガッチリと固定される。


「本当は前から見たいけど、お前が倒れるっつーから」

「……っ あ、嫌、やだ…」

「つーか、こんな細い指で届くわけ?」

「……ん、あ…っ」


葵の低い声に自由を奪われて、金縛りにかけられてしまった。

成す術も無く、持ち上げられた右手が中心へと運ばれる。


……嫌なのに、恥ずかしいのに
吸い寄せられるように、私の指が足の間に到達した。



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