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rena's world story★a.n.r.r.y
第20章 おまけのSS① *★* ジャックのSOS
「……私も、ヒメは茶髪の方が好き」
吊り橋の光をキラキラと反射させて
腕の中で体を捩った美和が、丸い瞳で俺を見上げた。
「だから今日で最後にして。
黒髪も、フリだとしても誰かとデートするのも」
「………!」
「……我儘だって分かってるけど心配なの。
だってヒメ、超カッコイイんだもの」
「………っ」
「ヒメのバカ。大馬鹿。鈍感」
再び顔を埋めて、ぎゅうっと力いっぱい抱きしめてくる美和。
……こいつ、殺す気か。
最後の暴言なんて霞む程、俺を破壊しやがって。
どうすりゃいいんだよ、このどうしようもなく浮かれた心……
「……美和」
溢れる想いが伝わるように
手摺に背中を付けて、美和の髪にキスを落とした。
そのまま続けて
真っ赤になった耳に、ピアスに、首筋に……
「……っ ヒメ、困る……」
腕の中でプルプル震えながら、美和が俺のシャツを掴む。
「ドキドキしてきちゃう」
「ドキドキさせてんだよ」
「だ、誰か来ちゃうかも…」
「こんな外側の廊下に、クルーズ終盤で来る奴いねぇだろ」