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rena's world story★a.n.r.r.y
第3章 打ち合わせ
「……あんた、グイグイくるな」
「……えっ!?」
「見た目とのギャップがすげぇ」
深くソファに腰掛けた瀬名さんに
半ば呆れたように見上げられて、浮かせた腰を慌てて元に戻した。
……確かに、何を1人で興奮してるのかしら。
大体、私なんかが紹介しなくたって、彼の周りには美しい女性が溢れているはず。
厚かましいにも程があるわ……
「……ごめんなさい……」
「………」
“ 家族はいない ”
……きっと、封印したい過去に違いない。
さっきから私のことばかり、気にかけてくれているのに
きっと眠れていないこの人の為に、私ができることは無いのかな……
……こんな時、蓮だったら
彼を救う言葉や方法を、すぐに見いだせるんだろうな……
「……あんたの気持ちは、有難いけど」
俯いた私の前で、彼がふいに口を開いた。
「必要ねぇんだわ、他の女は」
「……えっ?」
「遊ぶ時間が無いっていうのも、ひとつの理由なんだけど」
……輝く夜景に視線を移して、瀬名さんは切なそうに笑った。
「片想いしてる。
……ずっと前から、1人だけ」