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rena's world story★a.n.r.r.y
第21章 おまけのSS② *★* 嫉妬×嫉妬
俺とヒメの会話を聞いて、爆笑していたはずのユーリの顔がサッと曇った。
……分かってる。
自分でもドン引きだ。
女ならまだしも相手は男。
だけど貴方もご承知の通り、俺とヒメは昔からしょうもない事で張り合う癖がある。
31歳にもなるいい大人同士なのに……
……と、その時
「夏輝、通訳して」
揺れる煙の向こう側。
咥えていた煙草を指で離して、瀬名が口を開いた。
「こいつらが突然立ち上がった理由も
喧嘩口調な会話の意味も、俺にはサッパリ分からねぇ」
「「………!」」
「……だけど今、すっげー気分がいい」
「「~~~!」」
「なんでか知らねぇけどかなり嬉しい」
周りを見渡してから、最後に俺を見た瀬名が目を細めた。
「蓮、お前の言う通りこいつら最高だな。
超楽しいよ」
「………っ」
「学生時代を共に過ごしたかったと悔やむくらい
……お前達と、もっと早く出会いたかった」
……どこか切なさが漂う、その微笑みを目にした途端
稲妻に全身を打ち抜かれたのは、どうやら俺だけじゃないらしい。
ユーリと夏輝の間で笑う瀬名。
数時間前
デスクの前に立たされ、入社式からやり直して来いボケと一蹴された後輩達は
この男が同一人物だとは夢にも思わないだろう。