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第21章 おまけのSS② *★* 嫉妬×嫉妬

「ってなんでここに居ない人が出てくんの～～！？
ドキドキして損した！」

「夏輝！ てめぇちゃんと条件提示しろよ！
そんなの誰だって女を選ぶに決まってんだろうが！」


密かに自信があったのか
答えを聞いてズッコケていたユーリとヒメが立ち上がった。

さっきから騒がしい俺達に、周りの客が注目してる。


……ここで２人を宥める調整役にならなきゃいけないけど

自分が選ばれると思ってたから
瀬名の想定外の答えに、この気持ちをどこに持ってけばいいか分からない。


「見苦しいな」


数本目の煙草を咥えて、夏輝が溜息を漏らした。


「手足をバタつかせて助けを待つだけなんて。
男なら自力で岸に上がる方法を考えろよ」

「～～そっち！？
そーいう話じゃ無いんじゃねぇの！？」

「だいたい質問自体が非人道的で好きじゃないね俺は。
誰かを１人だけ選ぶなんて、そんな愛の欠片もねぇこと…」

「「てめぇが吹っかけたんだろーが！！」」


同時に叫んだユーリとヒメが、夏輝の胸ぐらを掴む横で
口を手で押さえた瀬名が、反対側を向いて肩を揺らしている。


……普段ポーカーフェイスの男が
笑いを堪えきれてないんですけど……