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rena's world story★a.n.r.r.y
第3章 打ち合わせ
……テーブルの上で揺れるキャンドルを
暫くの間、瀬名さんと私は沈黙したまま見つめていた。
届くことのない、一方通行の恋心。
必ずといっていいほど、誰もが経験する片想い。
瀬名さんが “ あいつ ” と言った彼も、その経験者の1人だ。
……あの頃の蓮を、この人も知っている。
私には決して言えなかった、蓮の秘めた想いを……
「……瀬名さん」
灰皿に煙草を潰す彼に向けて、私は静かに切りだした。
「私も、同じように思っていたんです。
蓮が私を見てくれることは、100%無いって」
「……!」
「彼女への強い想いは感じていたし、背中を押したのは私だし……
……でも、やっぱり忘れられなかった」
「………」
「たった1週間の別れから、再会した時……
……仕事中だったのに、私隠れて号泣したんです」
……年末の機内、溢れる想いが止められなかった。
それから、再び恋人になって不安な日々を過ごしたけど
バレンタインの空港で
もう1人の蓮の優しさに触れて、再び彼の愛を感じることができた。