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rena's world story★a.n.r.r.y
第3章 打ち合わせ
「……奇跡って、あると思うんです」
「………!」
「叶わない願いだと思っていても……
届かないと諦めていた人に、振り向いてもらえる奇跡が……」
……それは、自分達だけでは成し遂げることは出来ない。
私にとっての、姫宮さんのように
蓮にとっての、かけがえのない仲間のように
真剣な想いを応援してくれる、救ってくれる “ 誰か ” のきっかけによって
想いを届ける架け橋が生まれることが、きっとある。
「……瀬名さん。
あなたの恋心を……どうか消さないで」
「………!」
「今は心に閉じ込めたまま、秘めたままでもいいから
きっといつか、叶うと信じて……」
「………」
「……私、祈ってますから……」
……ここに来るまでの、数々の場面が浮かんできて
切なくて、瀬名さんに話しかける声が少し震えてしまった。
……あと3週間後に、蓮と私は結婚する……
本当に、奇跡なんだわ……
「瑠璃さん」
目頭が熱くなって、思わず視線を逸らした私を
瀬名さんが真っ直ぐ見つめた。
「あの頃の蓮を救ったのは、間違いなく貴方だ」