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rena's world story★a.n.r.r.y
第3章 打ち合わせ
「………!!」
カリスマ的なオーラを放つ、2人めの男の出現。
周りがざわざわとしてしまうほどの圧倒感。
瀬名さんと同じスーツ姿の蓮が、私達を交互に見ていた。
「れ、蓮……お疲れ様!」
「……うん」
「す、座って?」
慌てて2人掛けのソファ席から立ち上がり、隣りに蓮を誘導しようとすると
「遅せぇよボケ」
「………!」
「嫁にばっかり負担かけんなよな」
またしても、さっきの微笑みが無かったかのように
無表情の瀬名さんが、ソファから立ち上がった。
「……瀬名……」
並んだ2人の背はほぼ一緒。
カバンを持った瀬名さんを、蓮はじっと見つめる。
「……お前、なにを “ 再確認 ” したって?」
「は?」
「しかもその後……幸せがどうのって言ってなかった?
瀬名の口から “ 幸せ ” って……」
「さぁ、知らねぇな」
蓮の視線をさらっと流して、瀬名さんはネクタイを締め直す。
……1分前とはまるで別人の、仕事に戻る男の顔。
「………っ」
そのギャップ、ずるいです……
私の心臓は、まだバクバクと鳴り続けている。