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rena's world story★a.n.r.r.y
第3章 打ち合わせ
「二次会の件、伝えることは伝えた。
細かい事はレジュメに載せてある」
「………!」
「あとはお前らで擦り合わせしておいて。
基本、そっちが準備することは何もねぇから」
何か言いたげな蓮に、交代だと付け加えてから
瀬名さんは私を見下ろして、ふっと笑った。
「……さすが、蓮の女だな」
「………!」
「俺、 “ 喜楽 ” の感情なんて滅多に出ねぇのに。
あんたにまんまと引き出されちまった」
「………っ」
その優しい表情を見て、再び胸が締めつけられる。
驚いて目を見開く蓮の前で、彼は続けた。
「最後の戯言。
他人に心の内を話したのは瑠璃さん、あんたが初めてだ」
「………!!」
「蓮にも言ってねぇ話だから、秘密な」
「………っ」
「……ありがとう。
あんたが祈ると言ってくれたから
もう少し、消さずに留めておくよ」
……涙を抑えることだけで精一杯。
うまく笑えない私の前で
感情を表に出さない彼は、痺れるような笑顔を見せてくれた。