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第4章 似た者同士

……今の気持ちは、何も伝えていないのに

棘のある言葉の中でも、優香さんの優しさが感じられる。


「ったく優香ってば。
美和ちゃんが言いたいのはそうじゃないんだって」


優香さんが呼んだ店員さんに、喫煙ルームであることを確認してから

麗子さんが煙草の箱を取り出した。


「 “ 蓮くんが ” 結婚することじゃないのよ。
美和ちゃんだって、心から祝福してるわよね？」

「……！」

「蓮くんが彼女とゴールインすること、嬉しいでしょう？」



“ 美和、俺も今幸せだよ ”



……去年の４月、ヒカルちゃんを追いかけたヒメの後に

私を心配して来てくれて、笑顔でそう言ってくれた。


その幸せが、ひとつの形となるのだから

麗子さんの言う通り、心の底から嬉しさが込み上げてくる。


蓮くんのお嫁さんになる人が、どんな女性かは分からないけど

きっと素敵な人であることは間違いがない。


「……すごく、嬉しいです」

「そうよね。
容姿端麗の国際線ＣＡなのに、謙虚で心も美しいんですって～」

「………！」

「数々の嫌がらせも耐え抜いたんだから
さすが蓮くんの妻になる女！」

「………」

「あたしも惚れそうだわ～～」