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rena's world story★a.n.r.r.y
第4章 似た者同士
ゆらゆらと揺れる煙の向こう側で、麗子さんがふっと笑った。
「今、急に記憶が蘇ったんだけど。
ハゲ退治が終わった後、ヤス君のBARで祝賀会をしたの」
「………!」
「優香とあいつの3人で、美和ちゃん救出成功を喜んでさ。
あの日、確かクリスマスイブだったかしら?」
麗子さんの問いかけで、優香さんも思い出したように頷いた。
……一条さんの、こと。
忘れもしない、一昨年のクリスマス……
「あの時、あいつ1人だけナメクジみたいにグジグジしててね~
“ オンリーワン ” って言わなきゃ伝わらないって、優香に説教までされてさぁ」
「……えっ?」
「……あぁ、そういえば言ったわね」
「あれは笑ったわ。
帰りのタクシーでも笑いが止まらなかった」
「………?」
麗子さんが目を閉じて煙を吐くと同時に、優香さんも口元に手を当てて目を細めた。
……オンリーワン……?
「ヒメが、悩んでた…?」
「悩みっていうか、怖かったのよ」
……麗子さんが、ゆっくりと目を開ける。
「美和ちゃんを想う気持ちが強すぎて」
「………!」
「好き過ぎて怖いのよ。
……きっと、今でも」