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rena's world story★a.n.r.r.y
第4章 似た者同士
……ドキンドキンと、体全体が心臓になったみたい。
普段ほとんど聞く事の出来ない、ヒメの気持ち。
あのヒメが、まさか “ 怖い ” だなんて……
「あはは、ま~た自ら話を逸らしちゃった♪」
沈黙した空気を、楽しげな笑い声で吹き飛ばして
麗子さんは煙草を灰皿に潰した。
「20代後半、身近にいる人の結婚報告が増えるから
誰でも、今の美和ちゃんと同じような心境になるものよ」
「………!」
「結婚なんてするしないも含めて、人それぞれなんだから。
同じ名前でも、蓮くんは蓮くん。あいつはあいつ」
「………っ」
「……あいつが心を決めるまで、待っててあげて?♪」
独身女が言っても説得力無いけどね、と付け加えた麗子さん。
苦笑いを浮かべる優香さんを見て、きゅうっと胸が締めつけられた。
……気付かないふりをしていた痛いところを、突かれたというよりは
気持ちを汲んでくれて、優しく諭してもらったような気分。
“ いつ私にプロポーズするつもりなのかしら、でしょ? 美和ちゃん ”
……蓮くんが結婚するって聞いてから
自分でも無意識のうちに、そんなことを考えちゃうなんて……