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rena's world story★a.n.r.r.y
第4章 似た者同士
「心を決めるって、もう最初から決まってるじゃない。
10年も片想いしていたんだから」
「………!///」
「何を躊躇してるのかしら。
他の女の清算なんてとっくに終わってるでしょうに」
溜息をついてワインを飲む優香さんが、そう淡々と言ったけど
……ヒメと恋人になってから年数的には浅いんだ。
そもそも、結婚するってこと自体ヒメはまだまだ先って思ってる可能性もあるよね。
それとも、最初からする気がない……とか・・・
「……私は、期待するのはまだ早いですかね……」
今更ながら、一気飲みしたお酒の酔いが回って
呂律が回ってないなぁと自分でも思いながらも、思わずそう呟くと
「い~や、早いとか遅いとかじゃないね」
金色のショートヘアを両手でかき分けて、麗子さんがキッパリと言い放つ。
「プロポーズしたくても、出来ないのよ。
姉のカンだけど」
「……えっ?」
「あいつの中で、あることが引っ掛かって行動に移せないんだよ。
蓮くんの結婚式をバカみたいに引っ張って言えなかったのも、きっとそれのせい」
……したくても、出来ない……?
優香さんと同時に首を傾げると、麗子さんはニッと笑った。
「友人が多いっていうのも、ある意味気の毒よね」