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rena's world story★a.n.r.r.y
第4章 似た者同士

……9月最終日、週末の土曜。
休日のガランと静まった社内に、リーダーの笑い声が響き渡った。
夜の7時。
ガラス窓を照らしていた夕陽も沈み、外は電飾が光り始めている。
「寿退社もあり、働き続けるのもあり。
うちは見ての通りゆる~~い会社だからどっちでも問題ないよ」
「……それは、俺も分かってて」
「じゃあ、何?」
「………」
付き合ってる相手が美和ってことを、今ではチームの連中全員知っていて
社内結婚推奨派のリーダーも、今か今かと俺の報告を待ってるって感じてるけど
「……ちょっと、色々あって」
「でた、 “ 色々 ” 」
「すみません、今の話は忘れてください」
……社内とか時期とかではなく、問題は俺自身にあるから
結局こうやってグダグダな感じで会話が終わっちまう。
「お前のそーいう女々しい姿、周りの奴らに見せてやりたいな」
ゲラゲラ笑うリーダーの姿を、1週間前の休憩室で見た気がする。
……この遣り取り、マジで100回以上やってるな……

