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rena's world story★a.n.r.r.y
第4章 似た者同士

* * *


優秀なアシスタントが確認しなくていいと言ったから

リーダーを残して、俺は早坂に続いて会社のエントランスを抜けた。


「あ、葵帰ってきてるんだ」

「……?」

「ラッキー♪ 今夜はこの人に奢ってもらおう」


不機嫌だった5分前から一変

携帯をバッグに閉まった早坂の顔は、嬉しそうな笑みで溢れている。


「分かりやすく楽しそうだな。合コン代わりの男?」

「幼なじみです。
気を遣わなくて済む友達と飲むのって、やっぱり癒されるんですよね~」

「………」

「疲れてる時は特に。
じゃあ姫宮さん、お疲れ様でした」


ハイブランドのバッグを肩に掛け直して

大通りを流れるタクシーに向けて手を上げて、早坂は立ち去った。



「……友達、か」



その後ろ姿を見ながら、俺も自分の携帯を取り出す。

学生時代の仲間、前の職場の同僚、BAR関係者に知らねぇ奴らまで

毎日と言っていいほど、この画面は着信や誘いのメールで賑わっているけど


俺が自ら飲みたいと真っ先に思い浮かぶ奴は……

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