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rena's world story★a.n.r.r.y
第4章 似た者同士

『はぁいヒメ♡ こんばんみ~』
地下鉄を下りて、汐留の駅の改札を抜けると
電話の向こうから上機嫌なハスキーボイスが聞こえてきた。
『すっごい偶然ね♪ 今ちょうどヒメの話題で盛り上がってたの』
「……おい、お前」
『あ~待って、あたしもビール追加で!』
「………!」
『平気平気♪ 明日遅番だから』
ガヤガヤうるせぇ騒音の中で、そいつは速攻こっちの存在を消したから
俺は駅前で足を止めて、携帯を強く握り直した。
「~~~ヒカルてめぇ人の話を聞け!」
『え? なに~?』
「俺は今ユーリの携帯に電話したんだよ!」
『うん、これユーリの携帯よ』
「じゃあなんでお前が出るんだ!」
ビール追加の一言から、居酒屋にいると想定出来た時点で大体読めたけど
『今日は早番だったから、ユーリとデートしてるの♡』
「………」
『なんてね~♪ 陽菜ちゃんもいるから3人なの♡』
「………」
『BOX席だからユーリの隣りがひとつ空いてるわよ、来る?』

