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rena's world story★a.n.r.r.y
第4章 似た者同士
週末の夜とだけあって
ビルのエントランスは、ホテルやレストランへ行く多くの人間で賑わっている。
……繁忙期前、仕事が忙しくなってきたのもあり
今となっては、BARのボーカルは月に1度やるかやらねぇか程度。
見つかるとすぐステージに引っ張り出されるから、1人では行かないようにしてたけど
……なんとなくマンションに直帰する気になれなくて
俺はエレベーターを待つ人混みの後ろに立ち、携帯をポケットに閉まった。
「………」
……早ぇな。もう1週間後か。
来週の今日、この時間ともなれば
このビルの最上階で、豪華な二次会が始まっているだろう。
大学や会社関係で、結婚式には何度も出席してきたけど
披露宴も含めて、おそらく規模も人数も最大なんじゃねぇかと予想できる。
「……芸能人かっての」
って俺何呟いてんの。
いいじゃねぇか別に。
「………」
……祝福の気持ちはあるはずなのに
なんでこの心は、こんなにも不安定なんだよ……