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rena's world story★a.n.r.r.y
第4章 似た者同士
やっと到着したその扉が開いたけど
同時に人が傾れ込むのを見て、溜息が漏れる。
……つーか
乗ってた奴らが降り終わってねぇのに、無理に入ろうとするんじゃねぇよ。
無理無理、こんな満員の中に入れるか。
これは見送って、先頭に立った方が良さそうだな。
早々に諦めて、別の箱の止まってる位置を確認しようとした……
その時
「す、すみません……!」
人が乗り過ぎて、なかなか扉が閉まらないエレベーター。
ぎゅうぎゅうに詰まった人の中から、女の掠れ声が聞こえてきた。
「お、降ります!」
「………!」
「ごめんなさい、通して……っ」
再び満員の1基に視線を戻した、俺の目の前に
プルプルと震れた細い腕が伸びている。
~~げっ、マジか!
なんでもっと早く出てこねぇんだよ!
「……っ」
扉が閉まりかけたと同時に、その手首をガシッと掴んで
人と人の間から思いっきり引っ張ると……
「……!」
「……痛…っ」
……ふわりと揺れる、ダークブラウンのミディアムヘア。
間一髪、1人の女がよろけながら飛び出てきた。