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rena's world story★a.n.r.r.y
第5章 2人で、一緒に
……声、震えちゃった。
声だけじゃなくて、バッグを持つ手もプルプル振動してる。
蓮のお母様にご挨拶した時と同じくらい、私とんでもなく緊張してるんだけど……
……と、その時
「 “ ルリ ” 」
ふわっと響く……まるで風のような優しい声で
彼が私の名前を口にした。
「似合うな、名前」
「………!」
「蓮と瑠璃。
……いいよ、すげー綺麗」
「………っ///」
「つーか、 “ 恐れながら ” ってなんだよ。
そんな前置きいらねぇだろ?」
頭を起こした私と目が合うと、彼はふっと優しく微笑んだ。
……う、わ///
すごい……その表情、素敵……
この人、こんなに柔らかく笑うんだ。
「………っ」
どうしよう、さっきからドキドキが止まらない。
名前を褒めてもらえたこともそうだし
必要ないって……気持ちを汲んでくれる台詞を、さりげなく言ってくれるスマートさもそうだし
……なんだか、それだけで
蓮といることを認めてくれた気がしてしまう。