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rena's world story★a.n.r.r.y
第5章 2人で、一緒に

「って実は俺、あんたの名前知ってたけどな」
「………!」
「覗いてたもんで」
首を傾げる私の前で、彼は続けた。
「ミラノ行きの飛行機を待つ間
誰かさんが突然、空港のド真ん中で愛を叫んだから」
「……えっ!?」
「さすがハートの熱い男。
つーか、あいつに言わせるあんたがすげぇわ」
「~~~!///」
「あのドラマチックなシーン、今でもリアルに思い浮かぶぜ」
今度は余裕の笑みに変えて、彼が胸の前で腕を組んだ。
……彼に出逢ったバレンタイン……
私の脳裏にも、はっきりと浮かぶ蓮の熱い告白。
“ ……瑠璃!
俺はお前が好きなんだよ! ”
み、見られていたなんて……///
「な、なんだかすみません……」
「つーか、上で何してたわけ?」
「……えっ?」
「今更だけど1人? 旦那は?」
話題を変えた彼が私の後ろを覗き込む。
頬に当てた手を外して、私はシャキッと背筋を伸ばした。
「この前、ここで打ち合わせをしてまして。
あ、披露宴の後の……」
「あぁ、2次会な」
「その時に忘れ物をしてしまって、取りに来たんです。
蓮は、今日も出勤してます」
「……へー…」

