この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
rena's world story★a.n.r.r.y
第5章 2人で、一緒に

* * *
……降りてきたエレベーターに再び乗って
何の表示もされていない20Fで、彼に続いて降りた。
連絡通路の先にある、ウッドデッキが敷き詰められたテラス空間。
ラタン素材で編み込まれたソファに腰掛けて、目の前に広がる夜景を見つめていると……
「はい」
「……!」
エスニックな本革ブレスが付けられた腕が、後ろから伸びてきて
パッと顔を上げると、彼の手に紙カップが握られていた。
「ホット。
ブラックだけど飲める?」
「……は、はい。 有難うございます」
「寒いなら、店からブランケット持ってくるけど」
「い、いえ、大丈夫です…!」
温かいコーヒーを受け取って、頭を下げると
彼は自分の分を口に含みながら、私の左隣りに座った。
……両手の手のひらに、じんわりと温かさが広がる。
「……すみません、いただきます。
あ、お金…」
「BARで淹れさせただけだから。
次、酒が良かったら言って」
「……あの……」
「ちょっとした関係者なんだ。
気にしなくていいよ」

