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あたしの甘い王子さま
第8章 パティシエの........
「そ、そんなことないんだけど........今夜は無理です。今日中に纏めたい別件もあるので、折角お誘い頂きましたがすみません」
横にずれるように距離を広げて頭を下げた。
下げている最中、頭の上で聞こえた言葉は
「そっか....残念だなぁ~。でも、次は絶対に行こうね?」
何かしらの含みがある笑顔で同意を求められた。
こんなとき、変に頷いてもダメだよね?
「お互い、暫くは忙しいですから。いつになるかわかりませんよ?では....今日はありがとうございました。失礼します」
もう一度お礼と共にお辞儀をして、震えることのなかったスマホを握りしめてあたしは部屋を出た。