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あたしの甘い王子さま
第11章 甘い、二人の夜

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「部長、さっきはありがとね」
「晶、それ何回目?」
「だって、ほんとに嫌だったもん」
現在、移動中のタクシーの中。
ちょっと甘えて、部長の右腕に自分の腕を絡めてそのまま肩にあたしの頭を預けた。
そう。
お酒の力を借りてるからできる事。
普段なら、恥ずかしくてあたしのキャラじゃないしできっこない。
「もう少し時間かかるから寝てても良いよ?」
「ん........ありがと」
目を閉じると、子供の頃に家族で出掛けた帰り道を思い出す。
はしゃぎ疲れた身体は、心地よく揺られる車の振動と、隣に座る母の温もりも加わって、気持ち良く眠りの世界へと連れ去られたものだ。
今、その温もりを与えてくれるのは部長に代わったけど。

