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あたしの甘い王子さま
第12章 専務と部長とあたし
この日を境に、あたしの仕事は本当に忙しくって........。
午後のミーティングであたしが修行の為ここを離れる事がみんなに伝わった。
あたしの後を引き継いでくれるのは同期の二人。
夏の豆腐を使ったデザートも好評で
『晶の後任は程よくプレッシャーだよ~』
『虎の巻があったらそれも頂戴ね?』
なんて謙遜したりおどけたりしてる。
あとね、お試しで提案した豆乳黒ごまプリンも一緒に製造することになったの。
そのお陰か、パティシエ・西村さんとは会う回数も減り連絡はもっぱらメールになった。
多分ね、伯父さんと伸太朗が何かしたと思うの。
一応、気づかないふりしてるけど。
心の奥では感謝してますよ。
こうして........
夏が終わり、秋のスイーツが恋しくなる頃。
あたしは部長と共に日本を飛び立った。
もちろん。
瀬上 晶ではなく『松元 晶』になって。