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あたしの甘い王子さま
第13章 あたしの甘い王子さま
と、ここで思い出す。
今夜渡すはずだった結婚指輪のことを。
折角、抱き締めたけど仕方がない。
「晶、ごめん。ちょっといい?」
「あぃ....」
まだ眠たいんだろう。
晶のこの返事は可愛くて結構好き。
抱きしめた晶の身体をベッドに預けて起き上がり、脱いだジャケットを探す。
ベッドから降りなければ取れないから立ち上がろうと片足を出したとき、ふと握られた手。
「伸太朗....どこいくの?」
目を閉じているのに悲しそうな雰囲気を漂わす晶に動きを止められた。
下手に隠しても不安をあおるだけだし
「ん?晶に渡したいものがあるんだ。今、取ってくるから待っててくれる?」
拗ねて膨らみそうな頬にチュッとキスをしたらスルリと晶が手を離してくれた。