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あたしの甘い王子さま
第4章 お邪魔虫?
「そうだったのですか。折角のお誘い、申し訳ないですね。私たちも久しぶりのデートなもので、今回はご遠慮します。では........」
頭に添えられた部長の手が耳元に移動して、数回撫でられる。
再生スイッチが入ったかのようにあたしの動きも再稼働。
優しい声で『行こうか?』そう言われても、頷いて意思表示するだけのあたし。
もう、動揺しすぎだよね........。
「瀬上さん....」
藤原永莉香の横を通りすぎるとき、声を掛けられた。
また、腹の立つことでも言われるのかと思ったら
「先程は........悪かったわね」
「え?」
「いえ、べつに。....失礼するわ」
プライドの高いお嬢様から謝罪の言葉が聞けるなんて思っても見なかったから、彼女の背中が小さくなるまでつい見送ってしまった。