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孤城の中のお姫様
第2章 山川静香(やまかわしずか)〜都内有名私立大文学部4年年〜
私は深夜まで起きていたので、いつしか後部座席で眠り込んでいた。
「静香さん…静香さん、海が見えて来ましたよっ!」
相沢圭司の声で起こされた。
車は海沿いの丘陵の道路を、縫うように走っていた。夏休みといっても、平日のもう午後なので、行き交う行楽の車は少なかった。
「もうすぐ、岬の見晴台に着きますよ。東の方角だから、海に沈む夕陽の光景はちょっと無理ですが…。」
「そんなことより、喉渇いちゃったぁ。何か飲み物買ってきてよぉ。」
「この辺には、お店はないし、自販機もありませんね。割と冷たいお茶なら、この保冷剤入りのバッグに入っています。申し訳ありません。運転中なので、このままお渡ししますから。」
相沢圭司が、左手で、後席に腕を廻して、私に手渡した。
「これだから嫌ね、田舎は…これ、2本ともただの日本茶じゃないっ!もっと気の利いたドリンクはないの?」
「岬の見晴台に着いたら、自販機があるかもしれませんから。我慢なさってください。私の配慮不足で申し訳ありません。」
相沢圭司は冷静に運転しながら、あくまでも低姿勢で私に対応していた。
「静香さん…静香さん、海が見えて来ましたよっ!」
相沢圭司の声で起こされた。
車は海沿いの丘陵の道路を、縫うように走っていた。夏休みといっても、平日のもう午後なので、行き交う行楽の車は少なかった。
「もうすぐ、岬の見晴台に着きますよ。東の方角だから、海に沈む夕陽の光景はちょっと無理ですが…。」
「そんなことより、喉渇いちゃったぁ。何か飲み物買ってきてよぉ。」
「この辺には、お店はないし、自販機もありませんね。割と冷たいお茶なら、この保冷剤入りのバッグに入っています。申し訳ありません。運転中なので、このままお渡ししますから。」
相沢圭司が、左手で、後席に腕を廻して、私に手渡した。
「これだから嫌ね、田舎は…これ、2本ともただの日本茶じゃないっ!もっと気の利いたドリンクはないの?」
「岬の見晴台に着いたら、自販機があるかもしれませんから。我慢なさってください。私の配慮不足で申し訳ありません。」
相沢圭司は冷静に運転しながら、あくまでも低姿勢で私に対応していた。