この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
孤城の中のお姫様
第2章 山川静香(やまかわしずか)〜都内有名私立大文学部4年年〜
ほどなく、車は岬の小高い丘の駐車場に着いた。
車は2台停まっているだけだった。
「あっ、ありましたね。自販機。何を買って参りますか?」
「あれCコーラよね。じゃあ、アクエリレモンね。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
スラックスにワイシャツ姿の相沢圭司が、自販機に向かって、走って行き、急いで買って戻って来た。
「お待たせしました。冷えてますよ。」
「ありがとう。」
私は一口二口飲んで、喉の渇きを癒した。
相沢圭司は車外で待っている。
「お待たせ。で…どこなの?海なんか見えないけど…。」
「あそこから、ちょっと木道を歩くと展望台があるんですよ。」
「えっ、歩くのぉ?それは家を出る時に言ってよねぇ…私リゾートサンダルで来ちゃったじゃない。」
「それなら大丈夫です。少しだけですから。女性のハイヒールでも行ける、木製デッキの道ですよ。」
「そうなの?それなら連れていって。」
相沢圭司はドアを開けると、私の手を取って、座席から外に導いた。相沢の手に掴まったとき、私の心が少しトキメイた。
若い男性と一瞬でも手を繋ぐことなど、中学高校と女子の一貫校だったから、6年間普通なら有り得なかった。身近にいる男性と言えば、相沢圭司は別として、学校の先生くらいのものだったから。
車は2台停まっているだけだった。
「あっ、ありましたね。自販機。何を買って参りますか?」
「あれCコーラよね。じゃあ、アクエリレモンね。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
スラックスにワイシャツ姿の相沢圭司が、自販機に向かって、走って行き、急いで買って戻って来た。
「お待たせしました。冷えてますよ。」
「ありがとう。」
私は一口二口飲んで、喉の渇きを癒した。
相沢圭司は車外で待っている。
「お待たせ。で…どこなの?海なんか見えないけど…。」
「あそこから、ちょっと木道を歩くと展望台があるんですよ。」
「えっ、歩くのぉ?それは家を出る時に言ってよねぇ…私リゾートサンダルで来ちゃったじゃない。」
「それなら大丈夫です。少しだけですから。女性のハイヒールでも行ける、木製デッキの道ですよ。」
「そうなの?それなら連れていって。」
相沢圭司はドアを開けると、私の手を取って、座席から外に導いた。相沢の手に掴まったとき、私の心が少しトキメイた。
若い男性と一瞬でも手を繋ぐことなど、中学高校と女子の一貫校だったから、6年間普通なら有り得なかった。身近にいる男性と言えば、相沢圭司は別として、学校の先生くらいのものだったから。