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孤城の中のお姫様
第2章 山川静香(やまかわしずか)〜都内有名私立大文学部4年年〜
「とにかく、静香さん、今は私の言うことを聞いてください!お願いします。高校3年生なら、いろいろなお家の事情は理解できるでしょう?」

「理解できるから、それが嫌でここにいるんじゃない!」

私と相沢圭司はまた、声を荒あげて口論になった。

「私のお願いを聞いてくれないなら、いいわっ、こうする…。」

私はパジャマのボタンを外して上衣を脱ぎ、床に投げ捨て、パジャマの七分丈パンツもその場に脱ぎ捨てると、タンクトップとショーツだけになって、わざと相沢圭司の横をすり抜け、窓際に走った。

「静香さん!ちょっと待ってくださいっ!何をするつもりですかっ!?」

「窓を開けて叫んでやるわっ!」


「やめてくださいっ!私を犯罪者にしたいんですかっ!落ち着いてくださいっ!」

相沢圭司が私の肩を掴んで、窓枠とカーテンを握る私を引き離し、パイプベッドの布団の上に座らせた。もとより私は窓を開けて叫ぶつもりなどないので、素直に相沢圭司に身を委ねた。

私は急に涙が溢れてきた。

そして、小さな声でシクシク泣いた。

自分の感情と行動をコントロールできなくなっていたのだ。

「静香さんなんでそこまで…。」

相沢圭司は私が脱ぎ捨てたパジャマの上下を拾いに行き、裏表を直すと、簡単に畳んで私の膝の上にショーツを隠すように置いた。

そして自分は床に正座して、私の泣く姿を見上げていた。

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