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孤城の中のお姫様
第3章 植松藍子(うえまつあいこ)〜東京私立S女子大2年生〜
私と姉の清さんが、両親や兄にも知られてはならない秘密を初めて持ったのは、清さんが高校3年、私が高校2年になる直前の春休み。
私たち姉妹が、二人だけでS県のI半島でも有名な温泉地の別荘を訪れていた時だった。
4月に入り、あと数日で、東京に戻らなければならないという夜に、リビングルームで清さんから私はあることを打ち明けられた。
「藍さん。ちょっと聞きたいことがあるの。」
「なぁに?清さん。」
「あのね。明日、東京から倉田先生をお呼びしてあるの。」
倉田先生とは、その当時、私たちに受験英語を教えてくれていた、J大学の言語学研究科博士課程前期三年目の倉田大樹(くらたひろき)先生のことだった。
倉田先生は大学院一年目の夏から一年間スコットランドのグラスゴーに留学していたため、まだ修士課程を修了していなくて、その年大学院三年目に入っていた。
私たち姉妹が、二人だけでS県のI半島でも有名な温泉地の別荘を訪れていた時だった。
4月に入り、あと数日で、東京に戻らなければならないという夜に、リビングルームで清さんから私はあることを打ち明けられた。
「藍さん。ちょっと聞きたいことがあるの。」
「なぁに?清さん。」
「あのね。明日、東京から倉田先生をお呼びしてあるの。」
倉田先生とは、その当時、私たちに受験英語を教えてくれていた、J大学の言語学研究科博士課程前期三年目の倉田大樹(くらたひろき)先生のことだった。
倉田先生は大学院一年目の夏から一年間スコットランドのグラスゴーに留学していたため、まだ修士課程を修了していなくて、その年大学院三年目に入っていた。