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あるマンションでの出来事
第5章 最後の人
「俺はね、あんたのストーカーだよ、茉莉」
「………」
「隣に住んでたの、マジで。最初は普通の隣人だったんだけど、わざわざ挨拶とかしないからさ、どんなヤツかなんて知らなかったの。そしたらさ、こんな可愛くてスタイルのいい子が隣だったなんて、勿体ないし、同じ階で隣ってことはさ、ほぼ同じ一緒にいるようなもんでしょ。もう、これは運命に間違いないって思ってさ。ベランダから見たり、何とか音が聞こえないか聞き耳立てたり…そしたらさ、いい声が聞こえてきたのよ。茉莉の感じる声。瞬時にムカついたね。だって、俺のでしょ?なのに、他の男が手を付けてんの。これって、ダメだよね。だからさ、次の日の朝、部屋中にガス充満させてさ、朦朧とする意識の中、頑張ってライターでね…」
「……!!」
佐伯の語る言葉を聞き、茉莉はフラッシュバックで全てを思い出した。
確かに、要と激しく抱き合った次の日、茉莉は突然の爆音の後、激しく燃えるマンションの中で救助を待っていたが、その後の記憶はない。
「知ってると思うけどさ、時間が動いてなかったでしょ、この世界。しかも、自分の都合のいいように背景も変わっていく。まさにさ、茉莉が俺とこの男と間違えたのも、その影響じゃないかなぁ、と思ってんだよね。俺にとって都合がよかったのか、それともこの男にとってなのか、または…茉莉にとってなのかは分からないけどさ」
「………」
「隣に住んでたの、マジで。最初は普通の隣人だったんだけど、わざわざ挨拶とかしないからさ、どんなヤツかなんて知らなかったの。そしたらさ、こんな可愛くてスタイルのいい子が隣だったなんて、勿体ないし、同じ階で隣ってことはさ、ほぼ同じ一緒にいるようなもんでしょ。もう、これは運命に間違いないって思ってさ。ベランダから見たり、何とか音が聞こえないか聞き耳立てたり…そしたらさ、いい声が聞こえてきたのよ。茉莉の感じる声。瞬時にムカついたね。だって、俺のでしょ?なのに、他の男が手を付けてんの。これって、ダメだよね。だからさ、次の日の朝、部屋中にガス充満させてさ、朦朧とする意識の中、頑張ってライターでね…」
「……!!」
佐伯の語る言葉を聞き、茉莉はフラッシュバックで全てを思い出した。
確かに、要と激しく抱き合った次の日、茉莉は突然の爆音の後、激しく燃えるマンションの中で救助を待っていたが、その後の記憶はない。
「知ってると思うけどさ、時間が動いてなかったでしょ、この世界。しかも、自分の都合のいいように背景も変わっていく。まさにさ、茉莉が俺とこの男と間違えたのも、その影響じゃないかなぁ、と思ってんだよね。俺にとって都合がよかったのか、それともこの男にとってなのか、または…茉莉にとってなのかは分からないけどさ」