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あるマンションでの出来事
第2章 変わり始める
「そうか…知らないか…」
「…ごめん…なさい…」
「いや、謝ることじゃない。俺は…茉莉の隣人だよ」
「え…隣の人…?」
「そう、何度か挨拶交わしたけど覚えてなかったか…」
「………ごめんなさい…」
「いや、いい」
見える大きな背中から寂しさが茉莉には伝わってきたように思えた。そっと茉莉は手を伸ばし、男の背中をゆっくりとさする。
くすぐったいのか、男は小さく反応を示すと、振り向き茉莉の手を取って自身の頬に持って行った。
じわじわと手のひらから伝わってくる男の体温が、何とも言えないくらい優しく感じられた。
「俺は佐伯、佐伯柚(さえき ゆう)だよ」
「佐伯…さん…」
「そう。覚えた?」
「うん…そりゃ…」
「覚えるか…こんなことしてたら…」
「こんなことって…確かにそうだけど、どうして私を…?その前に何で私はここにいるの?昨日…そう、昨日は…」
今が朝だと言うことは、茉莉の中にある記憶は昨日だということになる。昨日の事を思い出すために、茉莉は一つずつ頭の中を整理することにした。
「…ごめん…なさい…」
「いや、謝ることじゃない。俺は…茉莉の隣人だよ」
「え…隣の人…?」
「そう、何度か挨拶交わしたけど覚えてなかったか…」
「………ごめんなさい…」
「いや、いい」
見える大きな背中から寂しさが茉莉には伝わってきたように思えた。そっと茉莉は手を伸ばし、男の背中をゆっくりとさする。
くすぐったいのか、男は小さく反応を示すと、振り向き茉莉の手を取って自身の頬に持って行った。
じわじわと手のひらから伝わってくる男の体温が、何とも言えないくらい優しく感じられた。
「俺は佐伯、佐伯柚(さえき ゆう)だよ」
「佐伯…さん…」
「そう。覚えた?」
「うん…そりゃ…」
「覚えるか…こんなことしてたら…」
「こんなことって…確かにそうだけど、どうして私を…?その前に何で私はここにいるの?昨日…そう、昨日は…」
今が朝だと言うことは、茉莉の中にある記憶は昨日だということになる。昨日の事を思い出すために、茉莉は一つずつ頭の中を整理することにした。