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あるマンションでの出来事
第2章 変わり始める
「そう、私…会社に行かなきゃ…」
「………」
頭を抱え、痛みを我慢する茉莉の姿に、佐伯はそっと茉莉を抱き寄せ、頭を撫でていた。
温かさが伝わってくる佐伯の大きな手は、茉莉を落ち着かせるには十分の治癒力を持っている。乱れ始めた呼吸を整え、茉莉は大きく広い佐伯の胸板に身を委ねた。
「なぁ、茉莉」
「……何?」
「茉莉の仕事は何?」
「……え?何、急に」
「教えて」
「私の仕事は会社の受付だよ」
「……そっか…茉莉は綺麗だからね、天職だ」
「そんな…褒められると照れる」
「ホントだよ」
「でも、なんで急に仕事のこと聞いたの?」
「ん、俺の中で茉莉は看護師をしてるのかな、と思ってたから聞いてみただけだよ」
「え、看護師!?なりたかったけど、理数系ダメだから諦めたんだよね。だから違うよ」
「そっか…ごめん…」
「やだ、謝らないでよ。諦めたのは私の勝手だし。佐伯さんが悪いわけじゃないでしょ」
「……まぁ…そうだけど…」
「じゃ、そろそろ行かなきゃ…」
「そっか」
「……あれ…そういえば…」
「?」
突如、茉莉の脳裏に女性の姿が過った。
全裸で横たわる女性の姿。
途端に走る頭の激痛に、茉莉は頭を抱え、ベッドに倒れこんだ。
心配そうに顔を覗き込む佐伯の姿が目に写るが、痛みに負け、そのまま茉莉は目を閉じた。
「………」
頭を抱え、痛みを我慢する茉莉の姿に、佐伯はそっと茉莉を抱き寄せ、頭を撫でていた。
温かさが伝わってくる佐伯の大きな手は、茉莉を落ち着かせるには十分の治癒力を持っている。乱れ始めた呼吸を整え、茉莉は大きく広い佐伯の胸板に身を委ねた。
「なぁ、茉莉」
「……何?」
「茉莉の仕事は何?」
「……え?何、急に」
「教えて」
「私の仕事は会社の受付だよ」
「……そっか…茉莉は綺麗だからね、天職だ」
「そんな…褒められると照れる」
「ホントだよ」
「でも、なんで急に仕事のこと聞いたの?」
「ん、俺の中で茉莉は看護師をしてるのかな、と思ってたから聞いてみただけだよ」
「え、看護師!?なりたかったけど、理数系ダメだから諦めたんだよね。だから違うよ」
「そっか…ごめん…」
「やだ、謝らないでよ。諦めたのは私の勝手だし。佐伯さんが悪いわけじゃないでしょ」
「……まぁ…そうだけど…」
「じゃ、そろそろ行かなきゃ…」
「そっか」
「……あれ…そういえば…」
「?」
突如、茉莉の脳裏に女性の姿が過った。
全裸で横たわる女性の姿。
途端に走る頭の激痛に、茉莉は頭を抱え、ベッドに倒れこんだ。
心配そうに顔を覗き込む佐伯の姿が目に写るが、痛みに負け、そのまま茉莉は目を閉じた。