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あるマンションでの出来事
第2章 変わり始める
「茉莉?茉莉?」
名前を呼ばれ、静かに目を開く茉莉の瞳に写ったのは佐伯の姿。
ボーっとする視界に、何度も瞬きを繰り返し、ゆっくりと茉莉は体を起こした。支えるように佐伯は茉莉の体に手を添えている。
「佐伯さん…」
「大丈夫?」
「うん…なんでか、頭が痛くて…あれは…夢だったのかな…」
「夢?」
「うん…とても怖い夢」
「どんな夢?」
「…話さないほうがいいかも。きっと佐伯さんを不快にさせちゃうから」
「いい、話して。それで、茉莉が少しでも楽になるなら、それでいいから」
「佐伯さん…」
茉莉は佐伯の胸板に自身を預け、ゆっくりと夢について語り出した。
夢なのか、現実なのかは茉莉には分からない。ただ、生々しい光景に夢だというのには自信がなかった。
「どんな夢だったの?」
「女の人が…死んでた…」
「死んでた?寝てたんじゃないの?」
「ううん、あんな無防備で呼吸もせず、目を閉じずに寝てる人なんていないよ」
「……生々しいね」
「…私もそう思うの。けど、夢としか思えなくて…」
「その女の人は知り合い?」
「ううん、知らない人。そう…そうよ、確か、エレベーターから近い部屋の人よ!!」
「近いって…もしかして501号室の人?」
「そう、一番端だから部屋番号は501だと思う」
「……なら、茉莉…それはホントに夢だよ」
「え…?」
「だって、501号室には誰も住んでいないから」
名前を呼ばれ、静かに目を開く茉莉の瞳に写ったのは佐伯の姿。
ボーっとする視界に、何度も瞬きを繰り返し、ゆっくりと茉莉は体を起こした。支えるように佐伯は茉莉の体に手を添えている。
「佐伯さん…」
「大丈夫?」
「うん…なんでか、頭が痛くて…あれは…夢だったのかな…」
「夢?」
「うん…とても怖い夢」
「どんな夢?」
「…話さないほうがいいかも。きっと佐伯さんを不快にさせちゃうから」
「いい、話して。それで、茉莉が少しでも楽になるなら、それでいいから」
「佐伯さん…」
茉莉は佐伯の胸板に自身を預け、ゆっくりと夢について語り出した。
夢なのか、現実なのかは茉莉には分からない。ただ、生々しい光景に夢だというのには自信がなかった。
「どんな夢だったの?」
「女の人が…死んでた…」
「死んでた?寝てたんじゃないの?」
「ううん、あんな無防備で呼吸もせず、目を閉じずに寝てる人なんていないよ」
「……生々しいね」
「…私もそう思うの。けど、夢としか思えなくて…」
「その女の人は知り合い?」
「ううん、知らない人。そう…そうよ、確か、エレベーターから近い部屋の人よ!!」
「近いって…もしかして501号室の人?」
「そう、一番端だから部屋番号は501だと思う」
「……なら、茉莉…それはホントに夢だよ」
「え…?」
「だって、501号室には誰も住んでいないから」