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あるマンションでの出来事
第2章 変わり始める
誰も住んでいないと言われていた501号室。
茉莉は何気に501号室の扉に手を掛けたが、鍵が掛かっているためにガタガタと音を鳴らすだけで、部屋の中からは何の反応もない。
もし誰かがいたとすれば、茉莉が発した音に驚いて何か物音がするはずだ。
けれど、何も音はない。
「やっぱり、あれは夢だったんだ」
たんこぶへ手を伸ばし、茉莉は首を傾げた。
生々しい夢を見たことは認めたとしても、頭の痛みに納得することはできない。
ベッドから落ちたのか、それとも…佐伯がしたことなのか…
けれど、なぜか茉莉には、この頭の痛みの原因が佐伯だとは思わなかった。
優しさのある彼が暴力的なことをするとは考えられない。
「…いや、そうでもないのかな…」
茉莉を全裸にして、無理矢理襲った佐伯をなぜこんなにも庇おうとするのか、茉莉自身にも理解が出来なかった。ただ本能的に思っただけだ。
この解釈が合っているのかは分からない。
小さく笑い、茉莉はエレベーターで一階に降りると、マンションの玄関扉に手を掛けた。
そこで茉莉の足が止まる。
「あれ…?」
茉莉は何気に501号室の扉に手を掛けたが、鍵が掛かっているためにガタガタと音を鳴らすだけで、部屋の中からは何の反応もない。
もし誰かがいたとすれば、茉莉が発した音に驚いて何か物音がするはずだ。
けれど、何も音はない。
「やっぱり、あれは夢だったんだ」
たんこぶへ手を伸ばし、茉莉は首を傾げた。
生々しい夢を見たことは認めたとしても、頭の痛みに納得することはできない。
ベッドから落ちたのか、それとも…佐伯がしたことなのか…
けれど、なぜか茉莉には、この頭の痛みの原因が佐伯だとは思わなかった。
優しさのある彼が暴力的なことをするとは考えられない。
「…いや、そうでもないのかな…」
茉莉を全裸にして、無理矢理襲った佐伯をなぜこんなにも庇おうとするのか、茉莉自身にも理解が出来なかった。ただ本能的に思っただけだ。
この解釈が合っているのかは分からない。
小さく笑い、茉莉はエレベーターで一階に降りると、マンションの玄関扉に手を掛けた。
そこで茉莉の足が止まる。
「あれ…?」