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あるマンションでの出来事
第2章 変わり始める
昨日まではベージュだったはずの家具が、今は黒になっている。
確かに、昨日まで501号室には人が住んでいた。その中にいた女の人は…死んでいた…。
このマンションにいる間の事は大方覚えているが、外に出た記憶はない。
自分の勤めている会社について不明な点ばかり。
そもそも自分は…。
疑問だらけの現状に、茉莉は自身の事について疑問を抱いた。
「ねぇ、佐伯さん…」
「何?」
佐伯は茉莉をベッドに横たえると、静かに隣に座っていた。
茉莉を見つめる目は心配そうに、そして愛しそうな切ない影があった。
心に突き刺さるような切なさに、茉莉は息を飲み、質問を続けた。
「私は茉莉で合ってる?」
「どうしたの、急に。茉莉は茉莉だよ」
「だって、何かが変わっていくの。しかも、それに気づかずにいた自分がいる。もしかしたら私も…どこかで変わっているかもしれないって思ったら…怖くて…」
「…茉莉は茉莉だよ。これは、俺と茉莉の彼氏がいる限り変わらないよ」
「…え?」
「だから大丈夫。茉莉は何も変わってないから安心して」
「……」
確かに、昨日まで501号室には人が住んでいた。その中にいた女の人は…死んでいた…。
このマンションにいる間の事は大方覚えているが、外に出た記憶はない。
自分の勤めている会社について不明な点ばかり。
そもそも自分は…。
疑問だらけの現状に、茉莉は自身の事について疑問を抱いた。
「ねぇ、佐伯さん…」
「何?」
佐伯は茉莉をベッドに横たえると、静かに隣に座っていた。
茉莉を見つめる目は心配そうに、そして愛しそうな切ない影があった。
心に突き刺さるような切なさに、茉莉は息を飲み、質問を続けた。
「私は茉莉で合ってる?」
「どうしたの、急に。茉莉は茉莉だよ」
「だって、何かが変わっていくの。しかも、それに気づかずにいた自分がいる。もしかしたら私も…どこかで変わっているかもしれないって思ったら…怖くて…」
「…茉莉は茉莉だよ。これは、俺と茉莉の彼氏がいる限り変わらないよ」
「…え?」
「だから大丈夫。茉莉は何も変わってないから安心して」
「……」