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あるマンションでの出来事
第2章 変わり始める
止められた佐伯の手によって、茉莉の精神が突如現実に引き戻される。途端に溢れた涙はベッドを濡らし、茉莉は手で顔を覆うと佐伯に背中を見せるように体の向きを変えた。
そんな茉莉の背中を、佐伯は自身の大きな手で優しくさすった。
「安心して、俺がいる限り、茉莉は大丈夫だよ」
「…え?」
不思議な言葉を投げかける佐伯を、茉莉は振り向き視線を合わせた。
茉莉を見つめている佐伯の切れ長の瞳は、寂しげだけれども、強い意志を感じた。
優しく笑う口元。
思わず茉莉は見とれた。
「たくさん茉莉を抱けてよかった。これ以上は、彼に申し訳ない。もしかしたら出張も早く終わるかもしれない。だから、これ以上のことはもうしないよ」
昨夜の情事を思い出す。
初めは恐ろしく怖かったのに、たった一日の間に、茉莉の心は佐伯によって開かれてしまった。どんなに雰囲気があっても、流れない佐伯の意志の強さに、茉莉は寂しさを感じた。
そんな茉莉の背中を、佐伯は自身の大きな手で優しくさすった。
「安心して、俺がいる限り、茉莉は大丈夫だよ」
「…え?」
不思議な言葉を投げかける佐伯を、茉莉は振り向き視線を合わせた。
茉莉を見つめている佐伯の切れ長の瞳は、寂しげだけれども、強い意志を感じた。
優しく笑う口元。
思わず茉莉は見とれた。
「たくさん茉莉を抱けてよかった。これ以上は、彼に申し訳ない。もしかしたら出張も早く終わるかもしれない。だから、これ以上のことはもうしないよ」
昨夜の情事を思い出す。
初めは恐ろしく怖かったのに、たった一日の間に、茉莉の心は佐伯によって開かれてしまった。どんなに雰囲気があっても、流れない佐伯の意志の強さに、茉莉は寂しさを感じた。