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あるマンションでの出来事
第3章 動き出す
「じゃぁ…あの女の人はどこに行ったの?」
疑問には思っても、現に人が住んでいない状態では謎を解くことは出来ない。よって、茉莉はこの部屋についてこれ以上の詮索をしないことに決めた。
「要のいる7階から行こうかな…」
出張に行っているはずの要の行方が気になる茉莉。501号室から一歩下がり、エレベーターホールに向かおうとした時、突然茉莉の横目に黒い物体が落ちて行ったのを見逃さなかった。
玄関扉とは反対側の景色が見える方角へ顔を向けた瞬間に、金属音のような鈍い大きな音が響き渡った。一気に不安にさせるような音に、茉莉の心臓が大きく脈打つ。見てはいけない、そう体が警告しているにも関わらず、震える足は景色側へと移動する。瞬きを忘れた茉莉の瞳は、そのまま音の正体を捉える。
「い、いや…あぁぁぁぁぁ!!」
横たわる人の姿。茶色く長い髪が無造作に広がり、女性の顔を覆っている。足や手が有り得ない方向へ曲がり、まだ広がりがない血飛沫が女性中心に広がっていた。
見てはいけないものを見てしまった茉莉はその場に座り込む。
茉莉の声を聞いた佐伯は、部屋から出ると茉莉の体を支えるように抱きしめた。
疑問には思っても、現に人が住んでいない状態では謎を解くことは出来ない。よって、茉莉はこの部屋についてこれ以上の詮索をしないことに決めた。
「要のいる7階から行こうかな…」
出張に行っているはずの要の行方が気になる茉莉。501号室から一歩下がり、エレベーターホールに向かおうとした時、突然茉莉の横目に黒い物体が落ちて行ったのを見逃さなかった。
玄関扉とは反対側の景色が見える方角へ顔を向けた瞬間に、金属音のような鈍い大きな音が響き渡った。一気に不安にさせるような音に、茉莉の心臓が大きく脈打つ。見てはいけない、そう体が警告しているにも関わらず、震える足は景色側へと移動する。瞬きを忘れた茉莉の瞳は、そのまま音の正体を捉える。
「い、いや…あぁぁぁぁぁ!!」
横たわる人の姿。茶色く長い髪が無造作に広がり、女性の顔を覆っている。足や手が有り得ない方向へ曲がり、まだ広がりがない血飛沫が女性中心に広がっていた。
見てはいけないものを見てしまった茉莉はその場に座り込む。
茉莉の声を聞いた佐伯は、部屋から出ると茉莉の体を支えるように抱きしめた。