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あるマンションでの出来事
第3章 動き出す
「お、女の人が…下に…」
「…茉莉…立って」
「む、無理よ。腰が抜けて立てない…」
「じゃ、背中に乗って」
「え…」
しゃがみこんだ佐伯の背中に、茉莉はゆっくりと手を回した。
茉莉の体重を感じた佐伯は、一気に立ち上がると、非常階段から一階へ足早に降りて行った。
「ねぇ…あの人…大丈夫よね…」
「…いや…おそらく…無理だと思う」
「……そんな…」
「茉莉、もうのんびりと行くわけにはいかないみたいだよ」
「?佐伯さん?」
「ほとんどの人が気付いたみたいだ」
「……どういうこと?」
「いつもと違う日常に、ほとんどの人が気付いたんだ」
「え…」
「とにかく、一階に急ぐ」
「う、うん…」
「…茉莉…立って」
「む、無理よ。腰が抜けて立てない…」
「じゃ、背中に乗って」
「え…」
しゃがみこんだ佐伯の背中に、茉莉はゆっくりと手を回した。
茉莉の体重を感じた佐伯は、一気に立ち上がると、非常階段から一階へ足早に降りて行った。
「ねぇ…あの人…大丈夫よね…」
「…いや…おそらく…無理だと思う」
「……そんな…」
「茉莉、もうのんびりと行くわけにはいかないみたいだよ」
「?佐伯さん?」
「ほとんどの人が気付いたみたいだ」
「……どういうこと?」
「いつもと違う日常に、ほとんどの人が気付いたんだ」
「え…」
「とにかく、一階に急ぐ」
「う、うん…」