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あるマンションでの出来事
第4章 6階と7階
「何って、住人がいるかどうか確かめてるだけだけど?」
ガチャガチャと鍵の掛かった大きな音がマンションに響き渡る。
無反応の601号室を過ぎ、602号室の扉に手を掛ける。そして、603、604号室と順番に扉の音を鳴らしていく。
耳鳴りがなる程の沈黙の中、響くのは鍵の掛かった扉の音だけ。小さなため息を漏らす茉莉を気にすることなく、佐伯は605号室に手を掛けた。
今までとは違う音が響く。
思い切り取っ手を引いた佐伯の手に手応えがあり、鍵の掛かっていなかった扉は勢いよく開いた。
徐々に見え始める部屋の中。間取りは変わらず、迷うことなく佐伯と茉莉は靴を脱いで足を進めていく。
茉莉と佐伯の足音だけが響いている中、部屋の住人と思われる人物と遭遇することがない。
鍵が開いていたことにも不思議に思った茉莉と佐伯は、慎重に部屋の中を見渡していた。
全体的に黒と青が多い部屋のインテリアで、シンプルなデザインを好んでいるようだった。乱れたベッドが空のまま、そして脱ぎ散らかされた服もそのままに、部屋の住人である人の生活感を思わせた。
「この部屋の住人は男の人よね?」
「……たぶん、そうだろうね」
ガチャガチャと鍵の掛かった大きな音がマンションに響き渡る。
無反応の601号室を過ぎ、602号室の扉に手を掛ける。そして、603、604号室と順番に扉の音を鳴らしていく。
耳鳴りがなる程の沈黙の中、響くのは鍵の掛かった扉の音だけ。小さなため息を漏らす茉莉を気にすることなく、佐伯は605号室に手を掛けた。
今までとは違う音が響く。
思い切り取っ手を引いた佐伯の手に手応えがあり、鍵の掛かっていなかった扉は勢いよく開いた。
徐々に見え始める部屋の中。間取りは変わらず、迷うことなく佐伯と茉莉は靴を脱いで足を進めていく。
茉莉と佐伯の足音だけが響いている中、部屋の住人と思われる人物と遭遇することがない。
鍵が開いていたことにも不思議に思った茉莉と佐伯は、慎重に部屋の中を見渡していた。
全体的に黒と青が多い部屋のインテリアで、シンプルなデザインを好んでいるようだった。乱れたベッドが空のまま、そして脱ぎ散らかされた服もそのままに、部屋の住人である人の生活感を思わせた。
「この部屋の住人は男の人よね?」
「……たぶん、そうだろうね」