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あるマンションでの出来事
第4章 6階と7階
恐怖のために声が小さくなる茉莉の口を手で塞ぎ、男は脱衣所の扉を閉め、鍵を掛けた。
男の溜め息交じりの荒い息が茉莉の耳を掠める。
掛かる息を逃れるために、茉莉は必死に抵抗するが、塞がれた口元が思ったよりも体に負担を掛けていたためか、思うように力が出ない。酸素が十分に行き届いていない脳は、まず生きるために酸素を考える。その為に今は必死に手から逃れようと考えることに必死だ。それ以外の事に関しては無防備と言われても仕方がないほどの無力だった。

その必死の抵抗が効いたのか、茉莉の口元から手が解かれる。
その瞬間に茉莉は精一杯の息を吸い込み、ゆっくりと吐き出した。
何度繰り返しても止められない深呼吸。それだけ、体に負担を掛けていたということなのだろう。茉莉は本能のままに深い呼吸を繰り返した。


そんな茉莉の様子を気にすることなく、男の手は茉莉の胸へと伸びていく。
柔らかい感触が手のひらに当たる感触がたまらないかのように、男は茉莉の胸をゆっくりと揉み、やがて固くツンと尖った乳首へ興味を移す。



「ちょっ…なに…や、やだ!!」

「…はぁ…はぁ…」

「止めて!」

「嫌だね。なんで止めなきゃならないのか、逆に説明してほしい」

「……え…」
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