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あるマンションでの出来事
第4章 6階と7階
茉莉と要の舌が優しく絡み合う。互いの舌先が互いの口内を刺激して、何度も唇を重ね合わせる。熱い吐息と共に漏れる声が、互いの体を刺激するには十分だった。


ぬるく、柔らかな感触。
けれど、激しく襲われる感覚。
休む間もない状態で、要の欲求は徐々に激しくなっていった。



「か…要…」

「はぁ…何?」

「そろそろ、動かなきゃいけない気がするの…」

「動く?」

「そう……だって…このマンションの中に佐伯さんはいるんだよ。いつ、ここに来るか分からない」

「……大丈夫だよ。俺がいるから」

「でも…」

「……分かった…じゃぁ、一服させて」

「一服…?」



咄嗟に疑問の顔を浮かべる茉莉を他所に、要はキッチンの換気扇下に移動すると、タバコを一本取り出し、火をつけて深呼吸を繰り返すように楽しみだした。

その一部始終を茉莉は呆然と見つめる。
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