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あるマンションでの出来事
第4章 6階と7階
茉莉の記憶の中には、要がタバコを吸う記憶が一つもなかった。
茉莉の前では吸わないようにしていただけなのかもしれない。けれど、一度もタバコのケースを見たことがなかった。
―…要?-
知っているはずの人物が、突然知らない人に変わった気がした。
そして、要がタバコを口にして吸い始めた時に見た赤く燃えている様子を見て、茉莉は突如恐怖を覚え、体が震え出した。
「え…え…?何で…震えが止まらない…」
赤い炎と、煙。
その二つが茉莉の脳裏を占めた。何かを忘れている気がする。けれど、どういう事なのか分からない。何か、この世界のカギとなるのか。
「茉莉?大丈夫?」
タバコを加え、心配そうに近寄る要を避けるように、茉莉は立ち上がり、服を身に着け始めた。
茉莉の前では吸わないようにしていただけなのかもしれない。けれど、一度もタバコのケースを見たことがなかった。
―…要?-
知っているはずの人物が、突然知らない人に変わった気がした。
そして、要がタバコを口にして吸い始めた時に見た赤く燃えている様子を見て、茉莉は突如恐怖を覚え、体が震え出した。
「え…え…?何で…震えが止まらない…」
赤い炎と、煙。
その二つが茉莉の脳裏を占めた。何かを忘れている気がする。けれど、どういう事なのか分からない。何か、この世界のカギとなるのか。
「茉莉?大丈夫?」
タバコを加え、心配そうに近寄る要を避けるように、茉莉は立ち上がり、服を身に着け始めた。