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あるマンションでの出来事
第5章 最後の人
考え事をしている最中に、要は怖がることも、警戒することもなく、普通に玄関扉を開き外に出ていった。
色々と考えながら聞こえる、他の部屋の玄関扉を開ける音が、茉莉の耳にまとわりつくように聞こえてくる。
どんなに、いつもとは違う状況下においても、他人の部屋の扉をいきなり開けようとはしない。インターフォンを押してから、行動に移すものだ。
なのに、躊躇なく要は次々と七階の自分の部屋以外の扉を無造作に勢いよく開けていく。
あまりの速さに、呆気にとられたままの茉莉は、突如音が聞こえなくなった途端に我に返り、そっと玄関の扉を開いた。
開いた扉から見える景色は平和そのもので、静かないつもの日常風景だった。
変わらない空の色に、変わらない静けさ。
あまりにも静かな状況だからか、つい先ほど家を出たはずの要の姿、行動すらもつかめない。
彼は一体どこに行ったのか。一部屋ずつ確認するとは言っていたけれど、事情を説明した茉莉にとって、要が上から下まで一部屋ずつ確認するとは思えなかった。
踏み出そうとする足が震え出す。
色々と考えながら聞こえる、他の部屋の玄関扉を開ける音が、茉莉の耳にまとわりつくように聞こえてくる。
どんなに、いつもとは違う状況下においても、他人の部屋の扉をいきなり開けようとはしない。インターフォンを押してから、行動に移すものだ。
なのに、躊躇なく要は次々と七階の自分の部屋以外の扉を無造作に勢いよく開けていく。
あまりの速さに、呆気にとられたままの茉莉は、突如音が聞こえなくなった途端に我に返り、そっと玄関の扉を開いた。
開いた扉から見える景色は平和そのもので、静かないつもの日常風景だった。
変わらない空の色に、変わらない静けさ。
あまりにも静かな状況だからか、つい先ほど家を出たはずの要の姿、行動すらもつかめない。
彼は一体どこに行ったのか。一部屋ずつ確認するとは言っていたけれど、事情を説明した茉莉にとって、要が上から下まで一部屋ずつ確認するとは思えなかった。
踏み出そうとする足が震え出す。