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あるマンションでの出来事
第5章 最後の人
佐伯はすぐ近くまで来ていたはずだ。予想では、要と佐伯はこの階で会うはずと普通は思う。けれど、そんな何かが起こったような気配はない。
それなら、これから予想していたことが起こるのか、茉莉の心の中は、不安でたまらなくなっていた。
踏み出した一歩から見える景色は、何かが起こるような不安もなく、平凡な休日を思わせるほどの長閑さが漂っていた。一歩、また一歩と茉莉の足が動き出す。
「要…」
進めば進むほど心臓が激しく動く。
時折深く呼吸を繰り返しながら、茉莉はエレベーターホールに向かった。
エレベーターは5階で止まっている事が確認できた。
「え、5階…何で…」
確かに1.2階に行ったとしても、何も分かることはない。6.7階についても、ほぼ確認は終わっている。
残る階はまだあるはずなのに、なぜ5階なのか。
茉莉は下矢印のボタンを押して、エレベーターを呼んだ。
異様な静けさの中、エレベーターの機械音だけが響き渡る。
到着したエレベーターに乗り込み、茉莉は5階に向かった。
再び降り立った5階。
まず向かったのは自分の住んでいる部屋だった。静かに扉に手を掛け、ゆっくりと扉を開いた。
中を確認するように、茉莉は部屋中を見渡しながら、中へ足を進めた。
玄関には男の人の靴はない。要はここには来ていなかった。
それなら、これから予想していたことが起こるのか、茉莉の心の中は、不安でたまらなくなっていた。
踏み出した一歩から見える景色は、何かが起こるような不安もなく、平凡な休日を思わせるほどの長閑さが漂っていた。一歩、また一歩と茉莉の足が動き出す。
「要…」
進めば進むほど心臓が激しく動く。
時折深く呼吸を繰り返しながら、茉莉はエレベーターホールに向かった。
エレベーターは5階で止まっている事が確認できた。
「え、5階…何で…」
確かに1.2階に行ったとしても、何も分かることはない。6.7階についても、ほぼ確認は終わっている。
残る階はまだあるはずなのに、なぜ5階なのか。
茉莉は下矢印のボタンを押して、エレベーターを呼んだ。
異様な静けさの中、エレベーターの機械音だけが響き渡る。
到着したエレベーターに乗り込み、茉莉は5階に向かった。
再び降り立った5階。
まず向かったのは自分の住んでいる部屋だった。静かに扉に手を掛け、ゆっくりと扉を開いた。
中を確認するように、茉莉は部屋中を見渡しながら、中へ足を進めた。
玄関には男の人の靴はない。要はここには来ていなかった。