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彼は天然記念物
第3章 動機

「……俺、有舂兄が好き」
…は?
「…は?」
心の中で思ったことがそのまま口に出た。
正に、は?だよ。
俺が好き?
そんなこと前からだろ?
なんでわざわざ言うんだよ?
家族なんだから好きで当然じゃないのか?
「そんなこと家族なんだから当然だろ?」
…なんでだろう。
笑ってるのに
笑ってるのに笑えない。
今の俺の笑顔は不自然極まりないだろう。
歯を覗かせる唇の両端が引きつりすぎて痙攣してきた。
「……俺の感情は…当たり前じゃない。狂ってるんだ。家族としてじゃない。人として好きなんだ。」
………判ってたさ。
直樹が言葉を選んでるうちに、気づいてたよ。
視界がぼやけてくる。
「有舂兄…………
俺を女遊びから救いたいのなら……
これっきり、これっきりで良いから。…………………抱かせて……?」
「……………………直……樹……………」
。

