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彼は天然記念物
第3章 動機


「…………俺、そしたらもう有舂兄のことも諦めるし、女遊びも止める。」

「で、でも俺は男…だ…ぞ…?」

「性別は関係ないよ…」

直樹の手が頬に触れて思わず身体が反応する。


「…ッ……い、いやいや、でも兄弟…じゃん。血も繋がってんだぞ…?」

「……俺は、そういうの関係なしに好きになった。抱かせてくれて、元の関係に戻ってくれれば……俺はもう、迷惑かけない。未練もないよ。」


心なしか鼓動が早まってる気がする…
俺は…俺は実の弟にドキドキしてんのか!?

いやいやよく考えろ…

実の弟に抱かれるんだぞ…
しかも男同士…
義理じゃないし、血も繋がってる…
それに抱かれたらもう弟として見れなくなるかもしれない…!

…でも、でも!

ここで断ればまた女に手を……駄目だ…
身体だけは大切にして欲しい…!














「……分かった。兄ちゃんと約束しろ。俺を抱いたら遊びで女に手を出さない。身体は大切にすること。……これを絶対守るなら…抱かれてやる。」




これが俺の出した答え。


「……うん…守るよ……」


直樹は静かに返事をした後、側にあった電灯のスイッチを切った。








「…有舂季……」










直樹が俺を呼ぶ声だけが耳にこだました。
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