この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
それでも大好きなんだーっ!
第6章 もあちゃんとくるみちゃん

「つーくん…!」
うさこに背を向けている翼。このまま振り向いてもらえない気がして、うさこは恐怖から掠れる声を上げ震える手を伸ばした。
「は、はい!バージンです!真っさら綺麗です!」
うさこの方へ振り返りかけた翼の身体に、まるでタックルでもするかのような勢いで もあ が抱き着く。
「わ、私も…」
言いかけたくるみを睨み、
「くるみは高校の頃、お金欲しさに見知らぬオヤジと寝てます!」
もあは、固まるくるみの秘密を大声で暴露した。
「ひどい…っ…この、裏切り者!」
我に返ったくるみが、翼に抱き着いた もあ を力任せに引き剥がす。
「何よっ、本当のことでしょ‼︎ 」
「だからって、今言わなくたっていいじゃない‼︎ 」
互いの髪を掴み、引き合うもあとくるみ。
呆れたようにため息を吐き出して、翼はうさこを振り返った。
「うさ、行こ?」
「……っうん」
向けられた翼の視線。伸ばされた翼の手。安心したうさこは、嬉しそうに翼に抱き着く。
「伊久美先輩!」
屋上を出ようとする翼の背に、慌てたような もあ の声が掛けられた。
「あのっ、私もうさこと同じバージンです!伊久美先輩に、気に入ってもらえると思います!」
掴みあったせいでボサボサになった髪を手櫛で直しながら、もあは勝ち誇ったような笑みを浮かべて翼へ歩み寄る。
─────が、
「……俺さ、バージンは抱かない主義」
もあを牽制した翼の言葉は、うさこまでも牽制した。
(バージンは、抱かない…?じゃあ、つーくんは、この先も私を……抱かないつもり……?)
ガクガクと崩れそうになる膝に…うさこは必死に力を入れる。
「……ど、し…て……?」
パクパクと言葉を探していたもあの口が、ようやく開く。
「俺は汚れ切ってるから、綺麗なものを俺で汚したくない」
分かりきっていたその答え。
(でも、可能性はゼロじゃないって……そう、思っていたのに……)
固まるバージン2人の後ろで、くるみがほくそ笑んだ。
うさこに背を向けている翼。このまま振り向いてもらえない気がして、うさこは恐怖から掠れる声を上げ震える手を伸ばした。
「は、はい!バージンです!真っさら綺麗です!」
うさこの方へ振り返りかけた翼の身体に、まるでタックルでもするかのような勢いで もあ が抱き着く。
「わ、私も…」
言いかけたくるみを睨み、
「くるみは高校の頃、お金欲しさに見知らぬオヤジと寝てます!」
もあは、固まるくるみの秘密を大声で暴露した。
「ひどい…っ…この、裏切り者!」
我に返ったくるみが、翼に抱き着いた もあ を力任せに引き剥がす。
「何よっ、本当のことでしょ‼︎ 」
「だからって、今言わなくたっていいじゃない‼︎ 」
互いの髪を掴み、引き合うもあとくるみ。
呆れたようにため息を吐き出して、翼はうさこを振り返った。
「うさ、行こ?」
「……っうん」
向けられた翼の視線。伸ばされた翼の手。安心したうさこは、嬉しそうに翼に抱き着く。
「伊久美先輩!」
屋上を出ようとする翼の背に、慌てたような もあ の声が掛けられた。
「あのっ、私もうさこと同じバージンです!伊久美先輩に、気に入ってもらえると思います!」
掴みあったせいでボサボサになった髪を手櫛で直しながら、もあは勝ち誇ったような笑みを浮かべて翼へ歩み寄る。
─────が、
「……俺さ、バージンは抱かない主義」
もあを牽制した翼の言葉は、うさこまでも牽制した。
(バージンは、抱かない…?じゃあ、つーくんは、この先も私を……抱かないつもり……?)
ガクガクと崩れそうになる膝に…うさこは必死に力を入れる。
「……ど、し…て……?」
パクパクと言葉を探していたもあの口が、ようやく開く。
「俺は汚れ切ってるから、綺麗なものを俺で汚したくない」
分かりきっていたその答え。
(でも、可能性はゼロじゃないって……そう、思っていたのに……)
固まるバージン2人の後ろで、くるみがほくそ笑んだ。

