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それでも大好きなんだーっ!
第6章 もあちゃんとくるみちゃん
虚しく落ちるうさこの腕を、翼の手が包み込む。

叩かれて赤くなったそこに、翼の唇が優しく触れる。


「うさこ、だから…だよ」

唇はうさこの腕に触れたまま、翼の優しい視線がうさこの揺れる視線を捉える。

「俺をこんな気持ちにしてくれるのはうさこだけだから。例えそれが誰であっても、例えその子がバージンだったとしても、もう他の子じゃダメなんだ」

ドキドキと忙しくなる心音と共に、身体中に一気に熱が回って、顔が火照る。

真っ赤に染まるうさこの柔らかな頰を、翼の大きな手が包み込んだ。


「─────…っ‼︎ 」

その翼の顔を見れば…その翼の優しい言葉と声色を聞けば…

入り込める余地なんかない。完全に負けだ。涙をいっぱいに溜めたもあが屋上から走り去る。

それを一瞥することもなく、翼の視線はまだうさこに注がれたまま。

だけど翼の言葉は、背後で固まったままのくるみに向けられていた。


「……ごめんね。俺にも心はあるし、俺だって傷付く。うさこも同じ。俺はもう、うさことしかしたくない」

「……っ……」


先程のくるみの言葉。

過去のトラウマを植え付けた人物たちと翼を重ね、その傷を翼になすり付けようとした。

結果、それが翼を傷付け、自分自身の傷も抉った。

心の片隅で自分の非を認めているのに、イジメから立ち直ろうと必死に守り抜き高く高く積み上げた自尊心がそれを邪魔する。


「あ、あんたなんか!もう友達でもなんでもない!もあにも、私にもう二度と話しかけないで!近寄らないで!」

うさこを睨み、そう怒鳴りつけたくるみも、屋上から走り去った。



「……ごめん……仲直りに協力するって言っておいて、拗らせて台無しにした……」

謝りながらも苦笑いを零す翼の本心は、あの2人とうさこが友達でいることを望んでいない。

むしろこれでよかったと思えてしまう自分が申し訳なくて、うさこの顔色を伺うように上目遣いに顔を上げた。


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